「ドルドーニュ」プレイ後の感想
フランスはドルドーニュ地方にあるおばあちゃんの家。その家には今は誰も住んでいない。子供のころ、夏の時期におばあちゃんの家で過ごした。主人公のミミは、現代では少し疲れている様子だけれども、改めておばあちゃんの家を訪れたとき、楽しかった思い出がよみがえった。
2022年の東京ゲームショウ、センス・オブ・ワンダーナイトにノミネートされた本作は、その圧倒的なビジュアルに注目が集まった。水彩画で描いたドルドーニュ地方は美しく、輝いている。
おばあちゃんはもういない。でも、思い出のおばあちゃんはハツラツとしているし、あの頃の私は元気だった。なにもかも美しいドルドーニュには冒険の記憶が眠っている。
フランス版「ぼくのなつやすみ」と評されるがそれは表面的な捉え方ともいえる。そこまで自由はない。プレイしていると気になるのはローカライズの部分で表現に揺らぎがある。歯を磨くことやシリアルを食べるときなどにゲーム的要素が存在し、それらは必ずしもうまく機能しているとは言い難いが、それらひとつひとつがおばあちゃんとの思い出だ。中盤に少し中だるみも感じたが終わり方は充分に良かった。さわやかな気持ちになる。
私は序盤に、昔の思い出があまりにも鮮やかすぎて、現代に戻された時の廃墟感に涙腺がゆるみもしたが、主人公のミミは落ち着きを取り戻すようだった。クリア時間は4時間前後。
ニンテンドースイッチ、プレイステーション4/5、Xbox、PCに対応。GamePassにも入っている。