「ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ(PS4)」プレイ後の感想

「ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ(PS4)」をクリアしましたので乱文になると思いますが感想を書きたいと思います。


<ネタバレを含む場合があります ご注意ください>


「ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ」は、プレイヤーの選択で未来が変化するアドベンチャーゲーム。といっても歩けるノベルゲームに近い。主人公のアレックスは他人の感情を読み取る能力を持っている。幼くして一家離散に近い状況になったアレックスは、しばらく児童保護施設で過ごしていたが、兄・ゲイブがアレックスを探し出した。ゲイブはアレックスをみずからが住むヘイヴン・スプリングスへ呼び寄せる。ゲイブとアレックスは街の住人と平和に暮らすハズだったが……。というのが大まかなストーリーの導入部分。もちろん、街の秘密や人間模様を紐解いていくことでストーリーが進んでいく。



グラフィックの大きな変化として登場人物の目の動きに進化が見られた。ムービーシーンでは顔の表情で微細な感情の揺れを表現しているが、明らかに動揺や不安は目の動きで読み取ることができる。この進化は地味ではあるが表現を非常に大きくした。「ライフ イズ ストレンジ」はすこしベタッとしたグラフィックが特徴ではあるが、目の動きの進化により、キャラクターの感情はより精細に感じることができるようになった。


シリーズの特徴である空間の精緻さは健在で、室内においてあるオブジェクトひとつひとつに人間味を感じることができる。選択できるオブジェクトにはセリフが用意されている。このセリフはゲームプレイとしての機能は希薄に感じられる部分もあった。しかし、本作は特にこうしたオブジェクトのひとつひとつや、スマートフォンに残されたSNSのやり取り、メッセージアプリの履歴に目を通さないとキャラクターの人物像に迫れない。表面だけのゲームプレイでは、ストーリーを淡白なものとして感じてしまうだろう。グラフィックで描かれていない部分を"文字"で追わないといけない部分は万人向けではない。この"地味"な部分を楽しむ余裕と時間を持たなければ、つまらないものと感じてしまう可能性がある。


かといって、それらが楽しいものであるかと云われれば "否"である 。描かれていない部分を文字によって穴埋めしてるのだが、そこにあるのはひたすらに日常。謎を追っているハズのアレックスは描かれていない部分でそれなりに楽しく日常を送っているっぽい。そんな内容が大半である。それらを読むモチベーションは「ローカライズをこんなとこまでやってんのかー」と苦労をねぎらう気持ちぐらいであって、ストーリーとの関連でいうと蛇足になる。


アレックスはとても強い人物として描かれている。自分が苦しい環境にいるにも関わらず、住民の悩みや不安を解消してはケロッとしている。葛藤するシーンでも割とサッパリしている。LARPと呼ばれるロールプレイングがゲーム内で展開されるが、スクウェア・エニックスが昨今RPGに注力し、いろいろな可能性を探っているのだろうと感じることができる。街は広そうに見えて行動できるところは限られている。主要サブキャラクターにステフとライアンがいるのだが、ステフはレコード店で人柄が分かるのに対し、ライアンには彼のプライベートが分かる空間が用意されていないのは残念だった。レンジャーである彼の事務所なり、部屋なりでのエピソードを見ることができれば良かったなと思う。


ゲームシステムで気になったのは、モブキャラが会話している際にプレイヤーがオブジェクトを選択すると音声が割り込まれる部分。これに遭遇するのは度々あるのだが、その度に没入感が薄れていった。この辺りは好みなのだろうか?私などはセリフが終わってからオブジェクトフォーカスの音声が流れた方が良かったかなと思っている。


本作の評価は難しい。10点満点で7.0~7.5ぐらいだと思う。キャラクターに感情移入できるほどでもないし、ゲームプレイも比較的一本道。初代がバタフライ・エフェクトを全編に渡って表現したのに対し、本作のストーリーは実にオーソドックス。悪くはないが人に伝えたいほどまでいっていないというところか。


文学のような作品であるから、夜長にウィスキーでも飲みながらちょっとずつ進めると楽しいかもしれない。私は一気に2時間とかプレイしていたので、余韻がなかったのかもしれないなーと思いつつ、終わる。


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